Japanese
English
今月の主題 食道表在癌治療の最先端
序説
食道表在癌治療の最先端
Introduction
門馬 久美子
1
Kumiko Momma
1
1がん・感染症センター都立駒込病院内視鏡科
キーワード:
食道粘膜癌
,
食道粘膜下層癌
,
内視鏡治療
,
食道癌外科治療
,
放射線化学療法
Keyword:
食道粘膜癌
,
食道粘膜下層癌
,
内視鏡治療
,
食道癌外科治療
,
放射線化学療法
pp.1243-1244
発行日 2013年8月25日
Published Date 2013/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113911
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食道表在癌治療に先立ち
1966年に中山ら1),あるいは山形ら2)により,早期食道癌の最初の報告がなされ,進行癌が中心であった食道癌の領域に表在癌が加わり,食道癌の診療が大きく変わった.1970年代に色素内視鏡検査法が開発され,ヨード染色を併用すれば,容易にヨード不染帯が見つけられ,上皮内癌や粘膜癌が発見できるようになった3)4).凹凸が明瞭な粘膜下層癌は,食道造影検査で発見可能であるが,凹凸が軽微な上皮内癌や粘膜癌は色素の併用が可能な内視鏡検査でしか発見できないため,内視鏡検査によるスクリーニング検査が広く行われるようになった.
発見された粘膜癌および粘膜下層癌に対しては,外科切除が行われ,予後を左右する主たる因子はリンパ節転移であり,臓器転移には脈管侵襲も関与していることが示された.外科切除例の検討から,リンパ節転移と脈管侵襲は,癌の壁深達度と相関しており,粘膜癌はリンパ節転移がまれで,脈管侵襲も少ないのに対し,粘膜下層癌ではリンパ節転移を30~50%に認め,脈管侵襲はほぼ必発であった.
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