特集 図説 胃と腸用語集2012
分類・定義
小腸血管性病変の内視鏡所見分類(endoscopic classification of vascular lesions of the small intestine)
矢野 智則
1
1自治医科大学内科学講座消化器内科学部門
キーワード:
矢野・山本分類
Keyword:
矢野・山本分類
pp.868
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113435
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
小腸血管性病変の内視鏡所見は様々だが,これまで整理がされていなかった.また,血管性病変に関する用語についても,多数の用語が曖昧な定義のまま使われ,異なる用語が同様の病変に用いられる場合や,同じ用語が全く異なる病変に用いられる場合があり,混乱がみられる.
しかし,消化管の血管性病変は,病態が全く異なる静脈瘤や血管腫を除けば,病理組織学的に (1) 静脈・毛細血管の特徴をもつ病変(angioectasia),(2) 動脈の特徴をもつ病変(Dieulafoy's lesion),(3) 動脈と静脈の特徴をもつ病変(arteriovenous malformation)の3種類に分類できる.血管性病変の内視鏡所見から病態を判断し,適切な治療方法を選択するためには,動脈成分の有無,つまり拍動性の有無が重要なのである.この点に着目して,小腸血管性病変の内視鏡所見を以下の6種類に分類した1)のが,矢野・山本分類である(Table 1).
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.