特集 図説 胃と腸用語集2012
分類・定義
Lanza score
三宅 一昌
1
,
坂本 長逸
1
1日本医科大学消化器内科
pp.866
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113433
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Lanza score(Table 1)は,1971年,米国ベイラー大学のLanzaら1)により,非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs;NSAIDs)による内視鏡的粘膜傷害の程度を等級化するために作成された.しかしながら,submucosal bleeding,area,edemaなどの定義がわかりにくく,1990年,本邦における臨床の現状に合わせるために,小林絢三および水島裕2)が共同して,modified Lanza score(Table 2)を作成した.
同scoreでは,用語がわかりやすく,概ね円滑に分類でき,現在,NSAIDsによる粘膜傷害を評価するために広く使用されている.Fig. 1に,典型的な胃びらん(Fig. 1a),出血(Fig. 1b)および胃潰瘍(Fig. 1c)の内視鏡像を提示した.長期NSAIDs服用者では,びらん・出血のような粘膜病変は案外少ないが,NSAIDs短期服用者またはアスピリン服用者における粘膜傷害の評価に有用性が高いと思われる.
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