特集 図説 胃と腸用語集2012
分類・定義
大腸腫瘍のNBI分類(NBI classification for colorectal neoplasia)
田中 信治
1
1広島大学内視鏡診療科
pp.860
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113428
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NBI(narrow band imaging)は腫瘍表面のvascular patternの評価に有用であるが,NBIの構造強調機能を活用して胃と同様に大腸でもsurface patternを評価することの重要性がクローズアップされている1).大腸腫瘍に対するNBI分類は,各施設から複数提唱されており,また,分類ではないものの,いくつかの評価方法も検討されている.いまだ本邦で統一された分類が存在しないため,これを簡単に解説することは難しいが,その概略と相互関係について解説する1).
佐野分類は純粋に微小血管構築を評価したものである.腺管腔を取り巻く茶色の網目状血管をCP(capillary pattern)とし,それらの視認性と口径不同,蛇行,途絶所見によりI/II/IIIA/IIIBに分類している.広島分類は,surface patternと微小血管構築を総合的に評価したものでA~Cに分類し,CをC1~C3に細分類している.昭和分類は佐野分類や広島分類のようなCategory分類ではなく,NBI所見を列記した形式をとっている.慈恵分類は,微小血管構築にsurface patternを加味した分類である.そのほかの評価法として,久留米大学,福岡大学筑紫病院,がん研有明病院などからも上記分類とsurface patternの組み合わせなどの評価法が検討され報告されている1).
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