特集 図説 胃と腸用語集2012
分類・定義
大腸癌の肉眼型分類(classification of gross appearance for colorectal carcinoma)
田中 信治
1
1広島大学内視鏡診療科
pp.850
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113419
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
大腸癌の肉眼型分類は,「大腸癌取扱い規約」1)において定義されており,その基本分類はTable 1のとおりである.この中で,1~5型は胃癌の肉眼型分類2)とほぼ同じであり,1~4型は進行癌の肉眼型を意味する.
0型は早期癌の分類(Fig. 1)であるが,早期胃癌2)とは少し異なる.隆起型0-I型は,0-Ip,0-Isp,0-Isに細分類され,表面型0-II型は早期胃癌と同様に0-IIa,0-IIb,0-IIcに細分類されるが,大腸にはIII型早期癌は存在しないので省かれている.また,早期大腸癌の形態を形成する要素として,腺腫成分や過形成成分を含むことも多いが,肉眼型を決定する際には組織発生や癌/非癌,腫瘍/非腫瘍の違いを考慮せず,病変全体の見た目で評価する.なお,0型は小さい病変が多いので,肉眼型は送気により腸壁の十分伸展された内視鏡所見で判定する.凹凸の評価のためにはインジゴカルミン撒布が望ましい.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.