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海外文献紹介「潰瘍性大腸炎における硬化性胆管炎」
佐藤 恭介
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1関東逓信病院消化器内科
pp.442
発行日 1981年4月25日
Published Date 1981/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113061
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Sclerosing Cholangitis in Ulcerative Colitis: E. Schrumpf, K. Elgjo, et al. (Scand J Gastroent 15: 689~697, 1980)
潰瘍性大腸炎(以下UC)には,しばしば肝胆道疾患が合併することが知られている.硬化性胆管炎(以下SC)もその1つであるが,その合併率は1%以下と言われる.著者らは,1974年から1978年までの5年間に,オスローRiks病院に入院したUC336例(男性181例,女性155例)のうちで肝機能に異常を示したものに肝生検を行い,48例(14%)に何らかの肝胆道疾患の存在を証明した.そのうち,胆汁うっ滞が予想された35例にERCを行い,男性8例女性6例の14例にSCの所見を得た.SCの診断基準は,肝内胆管の多発性狭窄,肝外胆管の狭窄,肝外胆管の狭窄,壁不整,連珠状変化などとした.UCの4%にSCが合併したことは,従来の報告に比べ高率で,多くの症例にERCを行った結果だが,ERCに成功したのは35例中26例のみで,実際は更に高率と思われる.
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