Japanese
English
今月の主題 クローン病とその周辺
主題
小腸クローン病のX線診断―特に類縁疾患との鑑別について
X ray Diagnosis of Crohn's Disease of Small Intestine
中村 裕一
1
,
八尾 恒良
2
,
渡辺 英伸
3
Y. Nakamura
1
1福岡市医師会病院
2九州大学医学部第2内科
3九州大学医学部第2病理
pp.1015-1026
発行日 1975年8月25日
Published Date 1975/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112341
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Crohn病の概念についてはその見解がいまだ統一されていないのが現状のように思われる.特に,本邦においては組織学的に特異性の潰瘍,または炎症の所見を認めえない潰瘍性病変を安易にCrohn病,または限局性腸炎と診断する傾向があったが,Crohn病と診断するためには,一定基準に基づいて診断すべきであると考えられる.今回,われわれに与えられたテーマは,小腸Crohn病と,その類縁疾患のX線診断であるが,小腸Crohn病,小腸結核,および非特異性多発性小腸潰瘍症のX線所見について述べてみたい.
これら3疾患は,病理組織学的所見のみに拘泥することなく,臨床症状,検査所見,治療薬剤に対する反応,X線所見,切除腸管の肉眼所見,および組織学的所見などを総合的に検討することにより,おのおのの疾患単位としての特徴を明らかにできるものと考えられる.このような観点からこれら3疾患に分類しうる症例についてX線所見の検討を行なってみた.
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