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海外文献紹介「大腸病変を有するCrohn病の大腸癌発生の危険率増加」
南 洋二
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1愛知県がんセンター病院消化器内科
pp.1368
発行日 1990年11月25日
Published Date 1990/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111593
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潰瘍性大腸炎における大腸癌発生の危険率増加については以前から報告されている.一方,Crohn病と大腸癌との関連については,1960年後半までは関心が示されなかったが,最近,その関連についての関心についての関心が高まっている.
著者らはスウェーデンのアプサラにおいて,1965年から1983年までに診断されたCrohn病患者1,655人を対象として,1984年末までにCrohn病に発生した大腸癌について検討した.12例の大腸癌が診断され,全体として2.5の危険率であり,危険率に性差はなく,経過観察期間も危険率に影響を与えなかったと報告している.また,Crohn病変の範囲が大腸癌発生のリスクに重要な要因であり,回盲部病変1.0,大腸回盲部病変3.2,大腸病変5.6の危険率を示し,診断時年齢30歳未満で大腸病変を有する群は最も高い相対危険率(20.9)を示したと報告している.
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