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書評「内科診断学(第7版)」
吉利 和
1
1東大
pp.868
発行日 1969年7月25日
Published Date 1969/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111141
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本書はすでに長い歴史をもち,わが国の内科診断学の定本とされたものであり,わたくし自身も多年にわたって本書を用いて学生の講義や実習に当ったもので,いま本書の書評をするに当っても,なつかしさが一ぱいである.
本書の初版は,序文に沖中先生が書かれているように,戦後間もないころで,外国の本の入手が困難なときに,東大で実際に診断学を教えておられた3人の先生方が自ら執筆されたものである.このことは,今日の第7版にいたるまで一貫して本書の特徴といってよい,つまり,実際に学生を教えるものの立場からみて,経験と知識をうまくおりまぜたものであり,外国語の本のうけうりでないことなのである.このたび久しぶりに第7版を拾い読みさせていただいたが,3人の先生の人がらがよくあらわれており,また平常言っておられ考えておられることが行間ににじんでいる.他の人では絶対に書けないことが多いのである.
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