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編集後記
望月 福治
pp.894
発行日 1990年7月25日
Published Date 1990/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111120
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「紙面の都合で,一般演題について多くを触れることはできないが,辻仲氏らはⅡc型直腸早期癌の1例を報告しており,注目された.」これは本誌の18巻1号に書き記した第28回日本消化器病学会他2学会合同秋季大会(1982)の学会印象記の一部である.画期的な大腸のdenovo癌の最初の報告であった.その後,この症例報告は本誌18巻2号(1983)に掲載されている.あれから8年の歳月は流れ,初めは葉ずれの音のようであった早期大腸癌の周囲は,枝鳴りが聞こえるように激しく揺れ動いてきている.
本誌では,既に“小さな大腸癌”(1987.4),“陥凹型早期大腸癌”(1987.8)が主題として取り上げられた.本号では小さな表面型大腸上皮性腫瘍について,臨床と病理側の立場からそれぞれ詳しく述べられている.問題点をあぶり出してみよう,いろいろの見解があっていいだろうとの配慮から,各方面からできるだけ多くの論文を書いていただいた.もちろん,これをもって十分な結論の出る問題ではないが,それぞれの論文を読んでいただければ,階段を確実に上がっているのだという,確かな手ごたえを感じ取っていただけるであろう.
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