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初心者講座 胃X線検査のポイント―私の検査法
4.粘膜像,前壁二重造影像
Radiological Examination of the Stomach: My Routine Practice
浜田 勉
1
Tsutomu Hamada
1
1順天堂大学消化器内科
pp.490-491
発行日 1990年4月25日
Published Date 1990/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110774
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1.前壁病変診断のための一般的な事項
前壁の病変の拾い上げを目的としてルーチンX線検査において前壁薄層法(50~60%濃度,50ml程度)を行っている.薄層像により前壁病変のうち著明な粘膜ひだ集中を伴うもの,隆起の明らかなもの,変形が辺縁に及ぶものは確実に拾い上げられるが,このような病変は背臥位二重造影像,充盈像や圧迫像でも拾い上げることができ,薄層法を必ずしも行わなくてもチェックが可能であることが多い.一方,辺縁に変形を来さず,ひだ集中が軽度か伴わないもの,わずかな扁平隆起を示すものは薄層法でしか拾い上げられるチャンスがないので,きちんとした薄層像を撮影することは重要である.しかし,凹凸の変化が軽微なものでは,小さいものばかりでなく大きなものでも薄層法で拾い上げることが容易ではなく,この前壁病変の診断の難しさゆえに,内視鏡に比しX線が弱いと指摘する報告が多いと考えられる.
なぜ,診断の成績が悪いのか,この理由は次の3点に要約される.
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