研究会紹介
伊万里・有田地区胃疾患懇話会
中村 裕一
1
1多久市立病院
pp.492-493
発行日 1968年4月25日
Published Date 1968/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110725
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佐賀県の西北に位する伊万里市及び西松浦郡は長崎県北部と境しているが,佐賀県には医科大学もなく,九大,長崎大からは可成り離れており,九州北部では学問的に辺地と考えられる地域である.又この地区には大きい公立病院もなく,従って核となる病院がないわけで,開業医は胃疾患の診断について信頼して依存出来る場がないという,悩みがあった.各地区特に大学や大病院の所在地で行われている胃についての研究会とは可成り趣を異にして,日夜第一線で活躍している多忙な開業医が目進月歩してやまない胃疾患の診断学に何とかついていこうという向学心から出発したのが,この会台である.
昭和41年7月伊万里市及び有田地区の医師会内の同好の士で胃についての勉強会をやろうという話がまとまり差当り講習会の形式をもって発足することにした.参加希望者は40名で,エーザイ株式会社及び大黒南海堂伊万里支店が世話役となり,伊万里保健所会議室を会場とすることにした.そして講師として中村は,41年7月から12月迄,胃についてのレントゲン及び内視鏡の撮影方法及び読影の初歩を実技までやり,典型的な症例について説明を加えながら指導講習を行った.その後は,42年1月より開業医の実際に経験した症例についてX線フィルムと内視鏡フイルムを持寄り,お互いにディスカッションをして大体の結論を出し,最終的には中村がアドバイスをするという変則的な懇話会に移行して今日に至っている.
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