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ドイツ医師のTitel
Professor:C2(ツェーツヴァイ),C3(ツェードライ),C4(ツェーフィア)と分かれており,DirectorはC4の教授である,つまり日本の“教授”に相当するのはC4の教授ということになる.C2とC3の教授の差はほとんどなく,C2の教授に比べC3の教授が圧倒的に多い.C3の教授は日本ではほぼ助教授,講師に相当すると考えられる.つまり,careerをめざす医師にとっては,C4の教授が最終目標となる.C4の教授はかならず他の大学の医師の中から選ばれる.つまりある大学に所属・勤務している医師が,その大学のC4の教授になることはできない.C3の教授はC4の教授が選ぶ.C4の教授の申請資格はHabilitierter Arzt[教授資格試験に通っている医師]であることである(cf. Habilitierter Arztで,C2,C3の教授ではない医師はPrivat Dozentと呼ばれる).
内科,外科などでは,C4の教授選に30~50人が応募し,書類選考で6~9人程度に絞られる.選ばれた医師は,指定された日に講演,質疑応答を行う.この講演はその大学全体に対して公開されており,その大学の教授陣はもとより,医局員,学生あるいは検査技師たちなど,さまざまな人々が聴講できる.その後3人に絞られ,更に順位がつけられる.ドイツは地方分権が非常に発達しており,大学は国ではなく州に属するので,最終決定は州が行う.もちろん首席に選ばれた人が圧倒的に有利ではあるが,まれにその州の方針と合わない場合は次席の人が選ばれることがある(医学の分野にかかわらず何事においても州の力が非常に強い).例えば,肝移植が専門の外科医が首席に選ばれ,その州が肝移植は経費がかかるのでやって欲しくないと考えている場合などである.
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