今月の症例
Caroli病
乾 和郎
1
,
中澤 三郎
1
Kazuo Inui
1
,
Saburo Nakazawa
1
1名古屋大学第2内科
pp.350-352
発行日 1985年4月25日
Published Date 1985/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109761
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超音波検査所見 右肋骨弓下走査(Fig. 1)にて,肝右葉に周囲との境界明瞭なsonolucent areaが認められる(↑).内部にseptum構造も認められず,全くのecho freeな像である.更に後方echoの増強も軽度認められる.また,同様な所見を持つ小病変が肝内に多発して認められる(▲).以上の所見から,多発する肝嚢胞との診断はつくが,超音波検査法からはcystと胆管との交通の有無は不明であり,multiple liver cystなのかCaroli病なのかの判断はつきにくい.右肋間走査(Fig. 2)でも,別のcystic lesionが捕らえられている.cystが小さい場合,内部にlow echoが存在するように見えることがあるが,走査部を変えて他方向から検索を行えば問題はない.
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