一冊の本
Inflammation in Gut
竹本 忠良
1
1東京女子医科大学消化器内科
pp.1312
発行日 1972年10月25日
Published Date 1972/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109069
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今回は1970年Kargerから出版されているBibliotheca Gastroenterologica,No. 9, Inflammation in Gutを紹介しよう.編集のMaratkaとOttenjannは旧知のなかでこの本も実は1970年Copenhagenで開かれた第4回世界消化器病学会の会場でOttenjannから頂いたものである.
本年の第14回内視鏡学会総会では「食道炎の診断基準」というシンポジウムがもたれたし,私達も目下十二指腸炎についてすこしずつ研究を進めているし,大腸炎にたいしても当然内視鏡的なアプローチを進めているので,先頃久方振1)に通読して,147頁の小冊子ながらたいへん教わるところが多かった.図はこの本の扉で,紙とぢで緑色の表紙で質素な本だから値段もおそらくたいしたことはあるまい.最初の頃の序文にOttenjannはThere is hardly a subspecialty in the field of internal medicine which participated in such an increase of knowledge and experience like gastroenterologyと書いて,各種の検査法の発達によって,消化管のいろんな部分の形態と機能の関連が解明されつつあり,多くの伝統的な見解やドグマがチャレンジされ変えられつつあると述べている.ここに盛られているテーマは国内,国際学会でしばしば討論されたものだけに簡明な記載である.
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