一冊の本
Immunology of the Gut
西岡 幹夫
1
,
竹本 忠良
1
1山口大学医学部第1内科
pp.542
発行日 1978年4月25日
Published Date 1978/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107280
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われわれの消化器管や呼吸器管はいつも微生物にさらされ,その侵入や障害を受けている.消化器管には,食物中の異種蛋白がわずかながらintestinal barrierを越えて,生体内に入りこんでいる.生体にとって非自己であるこのような異種抗原が抗原性を示さないのは,これら器管の粘膜に特有な免疫系が存在するためであり,これは局所免疫(local immunity)と呼ばれている.
局所免疫に関する研究の歴史は新しく,Heremansらが免疫グロブリンA(IgA)を発見した(1959年)ことや,Tomasiらが分泌型IgAの役割を明らかにしたこと(1965年)に始まるといってよいだろう.最近では,血清中のIgA,ならびに局所免疫の主役である分泌型IgAを一括してIgA系と称し,これらの異常に起因する多くの病態が明らかになってきた.
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