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書評「胃と腸内視鏡検査のポイント」
田中 弘道
1
1鳥取大学医学部石原内科
pp.355
発行日 1973年3月25日
Published Date 1973/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108394
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消化管内視鏡検査はついに経口観察と経肛内観察が腸内の一点で合流することに成功し,さらには膵,胆道の内視鏡検査へと進もうとしている.日常検査に使用する内視鏡も食道用,胃用,十二指腸用,小腸用,大腸用と多種にわたり,内視鏡専門家といえどもうっかりしていると新しいスコープから取り残されそうな昨今である.
この時期に竹本教授の「胃と腸内視鏡検査のポイント」が出版されたことは誠に意義深い.胃鏡からファイバースコープ通じて器械の開発と胃内視鏡診断学の体系化に全力を傾注された著者が,女子医大に移られてからは恵まれた環境と有能な愛弟子に囲まれて,食道から大腸に及ぶ消化管内視鏡診断学の領域で常に牽引車的役割を果してこられたことは周知の通りである.本書は内視鏡診断学の歴史に支えられた不朽の基礎的知識と最新検査法の要点とを肩の凝らない手法で解説されたものであり,この著者にしてなし得た異色の内視鏡実習書である.
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