学会印象記
第26回日本消化器内視鏡学会総会
山田 直行
1
1虎の門病院消化器科
pp.225
発行日 1984年2月25日
Published Date 1984/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106963
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第26回日本消化器内視鏡学会総会は,1983年ll月16日から3日間,大柴三郎会長のもと大阪市で開催された.本学会はInternational Symposiumでの内容に象徴されるごとく,endoscopic surgeryに関する報告が目立った.食道静脈瘤の硬化療法,高周波,レーザーなどによる癌の治療,止血,ERBDなど,数年前はトピックスであったものが今や普遍化され,各方法論の客観的評価が求められる時期を迎えつつあるようだ.
早期胃癌(非手術的治療とその後の経過について)のシンポジウムでは,2cm以下の隆起型m癌が,レーザー,高周波,各種局所注射などすべてに根治性のあることが示された.しかしsm以下では,局所根治性およびリンパ節転移の点で問題があり,特に陥凹型への適応については慎重を要すとの意見が大部分を占めている.やはり現状では,手術不能例,高齢者を中心に適応を選択すべきであろう.また,内視鏡的治療に先立ち,病変の拡がり,深達度に対する診断学の重要性が指摘された.
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