Coffee Break
胃疾患症例報告における紹介医の記載について(1)
髙木 國夫
1
1林外科病院
pp.1190
発行日 1993年10月25日
Published Date 1993/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106285
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「胃と腸」に発表された症例報告の中で,特に胃疾患―早期胃癌―症例の現病歴の記載を見ると,“○年○月中旬より全身に倦怠感を自覚するようになり,某医を受診し,貧血を指摘されると共に,胃X線検査で幽門部の隆起性病変を指摘され,×年×月×日,本院入院となる”,あるいは“○歳より十二指腸潰瘍の診断で,近医から内服治療と毎年の内視鏡検査を受けていた.×年×月,胃体部病変を指摘され,生検で癌と診断されて,当科に紹介入院となった”のごときものが典型的である.
この2つの現病歴では,病変を初めに発見・診断した某医,近医の紹介で入院,手術が行われている.このように,診療所あるいは医院から患者を紹介された場合の病院側の態度として,実地医家として活躍されている神保勝一先生は,「病診連携のしかた」の中で,“症例報告として用いる場合に,単に「近医にて受診,当科へ転医」では失礼と思うがどうだろう”と疑問を述べている.
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