用語の使い方・使われ方
鳥の嘴像(bird's beak sign)
小平 進
1
1帝京大学医学部第1外科
pp.1156
発行日 1993年10月25日
Published Date 1993/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106280
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S状結腸軸捻症は,S状結腸が腸間膜の長軸を中心として腸間膜根部で捻転したもので,360°以上捻転すると,S状結腸内腔は口側,肛門側共に閉塞し,馬蹄型に拡張する(Fig. 1).腹部単純X線像では,腹部左側を占居する馬蹄型に拡張した腸管ガス像が特徴的であり,立位像では輸入・輸出両脚にそれぞれ鏡面像をみることもある(Fig. 2).
注腸造影検査を行うと,注入したバリウムにより直腸は拡張するが,捻転を起こしている部より口側へはバリウムは進まない.内腔はこの盲腸部に向かって徐々に細くなっていき,特有の形を呈する.その形があたかも鳥の嘴のように見えるため,bird's beak sign(鳥の嘴像)と言われる(Fig. 3).別名,cork screw twist signとも言う.直腸膨大部は拡張しており,この部が鳥の体のように見え,先細りの先端が嘴状に見える.これを内視鏡で見ると,粘膜面は渦巻き様に捻れながら狭くなっていき,閉塞部(捻転部)に達するのがわかる(Fig. 4).
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