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海外文献紹介「ヒト食道・胃の正常および癌組織にみるプラスミノーゲンアクティベーター」
鈴木 隆史
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1愛知県がんセンター消化器内科
pp.758
発行日 1993年7月25日
Published Date 1993/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106209
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Plasminogen activators in normal tissue and carcinomas of the human esophagus and stomach: Sier CFM, et al (Gut 34: 80-85, 1993)
プラスミノーゲンアクティベーター(PA)はプラスミノーゲンをプラスミンに変換する蛋白分解酵素で,組織型(t-PA)とウロキナーゼ型(u-PA)に分類される.前者は血栓溶解に,後者は主に組織の再構築や腫瘍の浸潤に際し細胞外基質の分解に作用すると考えられている.近年,癌の発生・進展とPAの動向との関連性が注目されており,乳腺,肺,前立腺,胃,食道,結腸起源の種々の腫瘍でu-PAが組織中に高濃度に含まれることが研究報告されている.そこで著者らは,上部消化管由来の癌腫中のt-PA,u-PA含量(抗原量および活性)を生検組織を用いELISA法にて測定し,非病変部との対比と,更に癌腫の分化度・進行度(TNM分類),背景粘膜との関連性につき検討した.
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