Japanese
English
今月の症例
2.インゼル様隆起を伴ったⅡc型早期胃癌の1例
II. Type of IIc Early Gastric Cancer, Report of a Case
小泉 和三郎
1
,
近藤 一英
1
,
中井 久雄
1
,
上杉 秀永
1
,
石井 圭太
1
,
三宅 嘉雄
1
,
大井田 正人
1
,
西元寺 克禮
1
Wasaburo Koizumi
1
1北里大学病院内科
pp.482-484
発行日 1995年3月25日
Published Date 1995/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105368
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
〔患者〕54歳,女性.心窩部痛を主訴に来院.
〔胃X線所見〕腹臥位二重造影法では胃体中下部の前壁大彎寄りに3.8×2.4cm大の不整形の浅いバリウム斑を認め,粘膜ひだ集中を伴っている.空気少量の二重造影像(Fig. 1)では,集中する粘膜ひだは陥凹部の辺縁で中断ないし先細りを呈し,先端部分は一部で棍棒状の腫大,接合様の所見が認められる.しかしながら,空気を増量した二重造影像(Fig. 2)では病変部と共に粘膜ひだは伸展され,粘膜ひだの先端の腫大所見もほぼ平坦化され,接合様のひだも一部を除き分離されている.陥凹部は不整形で,健常部との境界は明瞭であり,一部では鋸歯状を呈している.微細な観察では粘膜ひだの先端に蚕喰像もみられる.陥凹底にはやや大型の比較的形の揃った不整円形の顆粒が約10個ほど散在性にみられる.顆粒部以外の陥凹部は微細顆粒状から無構造である.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.