書評
―斎藤清二(著)―「はじめての医療面接」―コミュニケーション技法とその学び方
神津 忠彦
1
1東京女子医科大学医学教育学・消化器内科学
pp.142
発行日 2001年2月15日
Published Date 2001/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105752
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対話は治療を構成する重要な要素のひとつである.医師を志す者はもちろんのこと,すでに長い間医師として診療に携わってきた者であっても,患者と向き合う場における自らの在り方を学び,振り返り,向上を求めて研鑽し続けることは,プロフェッショナルとしての義務であり,喜びでもある.
医学・科学技術・医療・社会が激しく変化する中で,日本でも医学教育改革が急ピッチで進んでいる.言うまでもなく,改革の主眼のひとつは良医の育成にある.知識偏重の伝授型教育から脱却し,医師に期待される臨床技能や,態度,習慣,考え方を身につけさせるための,バランスのとれた医学教育が模索されている.その中で医療面接に関する教育については,態度ばかりでなく,その根底にある心の在り方までも含んだ領域であるだけに,ともすれば教員にも学生にもある種の戸惑いを惹き起こしやすい.その意味で本書は,医療面接をめぐる学習を開始しようとする学生ばかりでなく,教育に携わる教員にとっても好適なガイドブックとして,生涯にわたる良き伴侶となるであろう.
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