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書評「Tumor Dormancy Therapy―癌治療の新たな戦略」
杉村 隆
1,2
1国立がんセンター
2東邦大学
pp.1464
発行日 2000年11月25日
Published Date 2000/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104908
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この高橋博士の本を見たときに,瞬間的に読みたいと思った.表紙にうっすらと“Must we kill cancer?”という字が出ている.本当にわれわれが体内のがん細胞のすべてを殺すことができることに,私は長い間懐疑的であった.“Must we kill cancer?”は私の心の中ではいつも“Can we kill all cancer cells?”に連想が飛び,更に,“We can not kill all cancer cells!”になり,“We should not kill cancer patients!”になるのが私の連鎖反応であったから.最近の学問の進歩を学ぶにつれて,私の心は“We can control cancer cells;we can control cancer patients”と,だんだん変わってきた.
この本はタイムリーな本であった.多くの,真摯にがんを考えている臨床従事者,がんの基礎研究者,がん征圧に様々な立場より関与している方々にとって有用な本である.もちろん,製薬企業や薬事行政に関わる方々にも有用と思う.
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