特集 消化管ポリポーシス2000
主題症例
全消化管,特に大腸に著明なMLP様の浸潤を認めたATLの1例
青崎 真一郎
1
,
有村 文男
1
,
濱田 富志夫
1
,
馬場 泰忠
1
,
畠中 真吾
2
,
西俣 寛人
3
,
中村 敬夫
4
,
伊藤 哲彦
4
,
大石 一郎
5
,
鳥丸 博光
5
,
石塚 賢二
5
,
美園 俊明
5
,
松尾 眞一郎
6
,
上村 俊朗
7
1済生会川内病院内科
2済生会川内病院病理診断科
3社団法人鹿児島共済会南風病院消化器科
4鹿児島予防医学研究所
5鹿児島大学医学部第2内科
6医療法人松尾医院
7医療法人恵愛会上村病院
キーワード:
ATL
,
消化管浸潤
,
MLP
Keyword:
ATL
,
消化管浸潤
,
MLP
pp.479-483
発行日 2000年2月26日
Published Date 2000/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104834
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要旨 患者は66歳,女性.鹿児島県出身.主訴は下腹部痛,食欲不振,全身倦怠感,発熱.他病院にて大腸のポリープ状隆起および頸部リンパ節の組織検査の結果,ATLと診断され紹介入院となった.上部消化管および大腸内視鏡検査,経口小腸造影,注腸二重造影にて全消化管にMLP様のATLの浸潤が認められ,特に大腸に浸潤が著明であった.大腸では横行結腸から,特に上行結腸,盲腸にかけて隆起が高度に密集・融合し,粘膜ひだも著明に腫大し,びまん性の浸潤病変に進展していた.化学療法が施行され,上部消化管内視鏡検査では病変は消失し,症状も改善したが,その後化学療法に抵抗性となり死亡した.本症例およびMLP様の浸潤を示した他の自験例の画像所見について,その特徴を報告する.
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