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編集後記
工藤 進英
pp.1128
発行日 2002年7月25日
Published Date 2002/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104517
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サッカーのワールドカップが終わった.わが家は決勝戦の開催された横浜国際競技場の近く,幸い大観衆の中でこの試合を観戦できた.強豪国のチームが相次いで一次リーグで脱落する中,わが日本代表は決勝リーグへ進出できた.快挙と言わねばならない.しかし世界のトップに向って進むにはもう一つ越えなくてはならない山がある.
さて,今号の特集は「炎症性腸疾患と腫瘍(2)潰瘍性大腸炎以外」である.炎症“関連”の大腸腫瘍の本体についてはまだまだわからない点が多い.筆者は世界中至る所に出かけていって大腸内視鏡検査と診断を行っている.zoom up内視鏡で,正常・非腫瘍性・腫瘍性などの基本的鑑別が可能であるとするのがわが国の大腸診断学の常識である.ところが,外国の多くの施設では内視鏡診断不可能という理由で,潰瘍性大腸炎の症例に対しては必ずstep biopsyを強要される.pit patternからdysplasiaではないと明確にわかるのにである.まったく閉口する.
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