Japanese
English
今月の主題 未分化型小胃癌はなぜ少ないか
序説
未分化型小胃癌はなぜ少ないか
Introduction
西元寺 克禮
1
Katsunori Saigenji
1
1北里大学医学部内科
キーワード:
未分化型
,
小胃癌
,
微小胃癌
,
linitis plastica
Keyword:
未分化型
,
小胃癌
,
微小胃癌
,
linitis plastica
pp.1435-1436
発行日 1996年11月25日
Published Date 1996/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104444
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
小さい未分化癌がなぜ問題なのか
消化器病の臨床で,癌の早期発見と治療は今日でも最も大きなテーマである.胃癌の治療において,切除不能症例は別として,なるべく早く手術をする時代から,低侵襲性の治療が推奨されるようになった.小さい癌は内視鏡的粘膜切除術(EMR)で治療することが一般的となり,この手技は胃のみでなく,食道,大腸などでも広く行われるようになった.胃においても,EMRの適応についてはほぼ確立されているが,他の臓器と異なり,未分化癌の占める比率が高いこと,胃酸の影響で潰瘍を合併しやすいことが問題を複雑にしている.したがって,分化型腺癌と未分化型腺癌に分けEMRの適応を考えるのが一般的であり,未分化癌をEMRの適応とするか否かは意見の分かれるところである.しかし,最近の学会の動向をみると,EMRの適応は拡大する傾向にあり,未分化型に対するEMRの報告も増加している.今回の主題の目標の1つは未分化癌の発育・進展形式から考えて,この動向が正しいか否かを検証することである.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.