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編集後記
飯田 三雄
pp.270
発行日 2003年2月25日
Published Date 2003/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104210
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原因不明の難治性腸疾患である腸型Behcet病と単純性潰瘍の異同が,本誌主題として取り上げられてから丸11年が経つ.この間の症例数,特に長期経過例の増加を期待するとともに,その検討から上述の難問が解決されることを目指し本特集号が企画された.
結論的には,両疾患に長期経過からみた病態に大きな差異はないものの,その異同について言及した7論文中4論文が異なる可能性を示唆し,残りの3論文が同一との見解を述べている.このように意見が分かれる理由として,各施設とも前回の特集から期待したほどの症例数の増加がみられていないことと,単純性潰瘍の診断基準(再発性口腔内アフタを伴うものを含めるか否か)が不統一であることが挙げられる.単純性潰瘍から腸型Behcet病への移行例はすべて口腔内アフタを伴うBehcet病疑い例であったことが報告されており(松本論文),診断基準について意見を統一する必要があると考える.
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