特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語
b.X線・内視鏡所見用語
Schatzki輪(Schatzki ring)
細井 董三
1
1多摩がん検診センター
pp.320
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103992
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1953年,SchatzkiがGaryと共に下部食道に輪状の狭窄を伴った嚥下障害症候群を記載したことから一般にSchatzki syndromeまたはSchatzki ringと呼ばれている.このSchatzki輪は通常,食道裂孔から3~5cm口側の下部食道にほぼ対称的な切れ込みを形成する輪状の薄い隔膜で,厚さは大体4mm以下である.この所見はヘルニアを伴う下部食道の食道粘膜と胃粘膜の接合部に認められることからesophagogastric ringあるいはlower esophageal ringとも言われる.
出現頻度に関してはKramer(1956)は食道症状のない患者100人のうち6人に認められたと報告している.しかし食道裂孔ヘルニアが少ないわが国ではごくまれにしか遭遇することはない.SchatzkiとGaryの報告によると,この輪は50歳以上の患者に好発し,性差は認められなかったという.
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