Discussion
「症例からみた読影と診断の基礎」〔Case 20〕(33: 230‐233, 1998)を見て
高木 國夫
1
,
望月 福治
2
1林外科病院
2JR仙台病院
pp.1582-1584
発行日 1999年11月25日
Published Date 1999/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102883
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「症例からみた読影と診断の基礎」〔Case 20〕(33: 230‐233,1998)を見て,読んで,いくつか問題となる点があると思われたので検討した.
まず,現病歴に関しては,“近医で胃X線検査を受け胃潰瘍と診断され,内視鏡検査のため当院へ紹介された”とあるが,近医の施設名を記載しなかったのはどうしたことか疑問になる.この貴重な症例の病変を発見した施設名を記載すべきであり,更に著者名に潰瘍病変を発見した施設の医師名を連名で載せるべきである.この症例に続く〔Case 21〕では,病変を発見した施設名を記載し,著者名に紹介医を連名で記載している.紹介医を報告者に連名にすることは紹介医に対する礼儀であり,病診連携を緊密にするうえからも重要である.できれば,近医の胃X線像を載せて,精査のX線像と比較検討してもらいたかった.近医のX線像で,胃潰瘍としか診断できないか,胃潰瘍の周辺粘膜に異常所見を認めることができるかが明らかになるであろう.更に,近医の胃潰瘍に対する診断能の向上に資することができたであろうと思われる.
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