Discussion
「症例からみた読影と診断の基礎」〔Case9〕(32:1222-1225)に対して
高木 國夫
1
,
浜田 勉
2
1林外科病院
2社会保険中央総合病院消化器科
pp.228-229
発行日 1998年2月25日
Published Date 1998/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103585
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「症例からみた読影と診断の基礎」のシリーズが32巻5号から「胃と腸」に連載されている.32巻9号には〔Case9〕と〔Case10〕の2例が掲載されているが,〔Case9〕(1222~1225頁)を見て,いくつか問題な点があると思われたので検討した.
胃角後壁を中心とした55×44mmの広い結節集簇型Ⅱaについて,X線所見では大小不同の結節状粘膜は,空気中等量ならびに空気少量の二重造影像で,ほぼその範囲を認定できる.内視鏡所見では,角裏の小彎から後壁の粘膜所見を,通常の内視鏡写真と色素撒布写真を提示しているが,胃角部から胃体部後壁にかけての口側境界部の内視鏡所見が提示されていないのが疑問である.また,X線写真と内視鏡写真の提示の仕方も問題である.X線写真では3枚の写真を出しているが,内視鏡写真では2枚で同じ部位である.内視鏡所見も胃角から胃体部にかけての後壁の境界部を調べた写真を載せるべきであろう.検査写真の並べ方はX線写真3枚を1頁に収めて,次の頁には内視鏡写真を最低4枚入れるべきであろう.
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