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初心者講座 胃X線検査のポイント―私の精密検査法
11.進行癌
Detailed Radiological Examination of the Stomach (11)
加来 幸生
1
Sachio Kaku
1
1癌研究会付属病院内科
pp.1439-1441
発行日 1991年12月25日
Published Date 1991/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102730
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進行癌の術前精査の目的は,正確な肉眼所見を求めること以外に,術式の選択に直結する,癌の進展範囲の診断,深達度診断,多発病変のチェックなどが考えられる.多発病変のチェックに関しては,精密検査時は胃のコンディションを最高の撮影条件にもっていくわけであるから,たとえ術前内視鏡検査で併存病変がないとされたとしても,もう1度,X線的に検索するべきであるし,そのためには1例ごとに適した撮影手順を組み立てる必要があると考える.実際に内視鏡の見逃し病変も少なくないのである.
ここでは,対象を進行癌とことわっているので,癌の進展範囲の診断を中心に以下のことに重点をおいて述べる.①粘膜面の進展,特に口側進展について.進行癌に随伴するⅡa,Ⅱc,Ⅱbのチェック.EGJから癌までの距離.①粘膜下層以下の進展の診断,特にスキルス例について.①食道浸潤のX線撮影法について.撮影の体位,時期,タイミング.どういう所見に注意するべきか,などである.
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