胃と腸カンファレンス
この症例をどう考えるか
加来 幸生
1
,
馬場 保昌
1
,
中島 聡総
2
,
加藤 洋
3
Sachio Kaku
1
1癌研病院内科
2癌研病院外科
3癌研病院病理
pp.921-924
発行日 1988年8月25日
Published Date 1988/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108382
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症例の概要 患者:71歳,女性.現病歴:1982年秋より上腹部不快感あり.体重減少2kg.1983年3月4日,他院の胃X線検査にて胃癌と診断され,3月30日癌研病院外来受診,4月19日入院となる.入院中の胃X線検査および内視鏡検査の所見による術前診断は,胃悪性リンパ腫であった.生検診断では悪性リンパ腫も疑われたが,確診が得られず外科的治療に踏み切った.5月2日,胃切除術が施行された.術後病理報告:gastric ulcers;1)gastric ulcer,Ul-Ⅲ,M-Post.with marked lymphoid hyperplasia,2)gastric ulcer,Ul-Ⅲs,C-Post.
以下の点につき御検討ください.①術前のX線,内視鏡所見からは,どう診断すべきでしょうか.②病理組織学的に,悪性リンパ腫でないとすれば,RLH様の病変であるのか,あるいは特殊な潰瘍と考えるべきでしょうか.
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