--------------------
書評「イラストでみる手術体位の基本」
吉矢 生人
1
1大阪大学麻酔科
pp.892
発行日 1991年8月25日
Published Date 1991/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102611
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
今までにも手術体位を図示した教科書はあったが,患者の安全性を全面に押し出したものはなかった.数十年前には,手術が成功して病気が治りさえすれば少々の合併症が起こっても問題にされることは少なかった.医師は“これぐらいの不自由はもとの病気にくらべれば我慢できますよ”と言い,患者も命を助けてくれたのだからとあきらめた.肺や心臓の手術は文字どおり命がけであった.
近年は,複雑な心臓手術でも手術死亡率が10%に満たない.胃癌も早期であれば医者も患者も心配した顔をしない.医療のレベルは確かに上がっている.これに伴って,従来はとがめられなかったような,麻酔や手術の合併症が浮かび上がってきた.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.