Letter to the Editor
「カルチノイド・内分泌細胞癌─病理の立場から」(原岡誠司,他.45巻12号1894-1905頁)に対して
藤盛 孝博
1
,
原岡 誠司
2
1獨協医科大学病理学(人体分子)
2福岡大学筑紫病院病理部
pp.1718-1719
発行日 2011年10月25日
Published Date 2011/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102393
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一愛読者として「胃と腸」45巻12号「特殊型胃癌の病理像と臨床的特徴」を興味深く拝見いたしました.それぞれが参考になる素晴らしい内容だったと思います.その中で,気になったのは,内分泌細胞癌の記載です.「大腸取扱い規約第7版」(2006年),Rosai and Ackerman's Surgical Pathology,Ninth Editionにも,WHOとほぼ同じ内容で内分泌細胞癌と腺内分泌細胞癌を区別して扱うことの重要性が書かれています.
今回の著者らの論文では,組織発生の中に腺癌と共存している内分泌細胞癌を腺内分泌細胞癌と扱わず,内分泌細胞癌と記載しています.この記載は,腺癌のもつ多分化能を幹細胞と関連づけて考察するうえでは重要ですが,あくまで,内分泌細胞癌は肺の小細胞癌や大細胞癌のみを対象にしており,腺癌が認められた場合は,内分泌細胞癌とは別に腺内分泌細胞癌として扱うことになっています.著者らの施設が,腺内分泌細胞癌の発生に関して過去に多くの論文を発表していることを尊重するがゆえに,質問いたします.
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