胃と腸 図譜
直腸GIST
松田 圭二
1
,
渡邉 聡明
1
1帝京大学外科
pp.174-177
発行日 2011年2月25日
Published Date 2011/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102132
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1 概念,病態
GIST(gastrointestinal stromal tumor)は,筋層内にあるCajal介在細胞が増殖し,腫瘍となったもので,腫瘍細胞の細胞膜にあるKIT,またはPDGF-Rαという蛋白の異常が主な原因と考えられている.GISTの発症頻度は人口100万人当たり20人/年と推測されており,大腸GISTは消化管GIST全体の4~10%とまれである.発症年齢は55~60歳で男性に多く,初発症状として血便,肛門痛,排便困難などがあるが,症状のないものもある.直腸の中では下部直腸に多くみられる.他のGIST同様,転移は肝臓や腹膜播種がメインで,リンパ節転移はまれである1).
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