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今月の主題 遺伝性消化管疾患の特徴と長期経過
序説
遺伝性消化管疾患の特徴と長期経過
Introduction
飯田 三雄
1
Mitsuo Iida
1
1公立学校共済組合九州中央病院
キーワード:
遺伝性消化管疾患
,
家族性大腸腺腫症
,
遺伝性非ポリポーシス大腸癌
,
臨床的特徴
,
長期経過
Keyword:
遺伝性消化管疾患
,
家族性大腸腺腫症
,
遺伝性非ポリポーシス大腸癌
,
臨床的特徴
,
長期経過
pp.2015-2017
発行日 2010年12月25日
Published Date 2010/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102072
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遺伝性を有する消化管疾患として,遺伝性ポリポーシス症候群(hereditary polyposis syndromes ; HPS)と遺伝性非ポリポーシス大腸癌(hereditary non-polyposis colorectal cancer ; HNPCC)がよく知られている(Table 1).前者は組織学的に腺腫性,過誤腫性,過形成性の3種類に分類されるが,臨床的には家族性大腸腺腫症(familial adenomatous polyposis ; FAP)が最も重要である.FAP以外の腺腫性ポリポーシスとして,MYH(mutY homolog)関連大腸腺腫症(MYH-associated polyposis ; MAP)やTurcot症候群が挙げられる.過誤腫性ポリポーシスには,Peutz-Jeghers症候群,Cowden病,若年性ポリポーシスが含まれるが,近年,結節性硬化症もこの疾患群に包含されている.また,極めてまれではあるが,過形成性ポリポーシスが家族内に集積する病態も報告されており,家族性過形成性ポリポーシス(familial hyperplastic polyposis)と呼ばれている.
一方,HNPCCはLynch症候群とも呼称され,若年発症,右側大腸癌,大腸多発癌,多臓器重複癌を臨床的特徴とする遺伝性疾患である.そのほか,HPSにもHNPCCにも包含されない遺伝性消化管疾患として,Blue-Rubber-Bleb-Nevus症候群,Rendu-Osler-Weber病,家族性消化管腫瘍などが知られている.
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