Japanese
English
今月の主題 消化管follicular lymphoma―診断と治療戦略
主題
消化管follicular lymphomaの治療方針―私はこう考える
Treatment of Gastrointestinal Follicular Lymphoma: My View
中村 常哉
1
,
田近 正洋
1
,
河合 宏紀
1
,
鏡味 良豊
2
,
山本 一仁
2
,
加藤 春美
2
,
横井 太紀雄
3
,
谷田部 恭
3
,
中村 栄男
4
Tsuneya Nakamura
1
,
Masahiro Tajika
1
,
Hiroki Kawai
1
,
Yoshitoyo Kagami
2
,
Kazuhito Yamamoto
2
,
Harumi Kato
2
,
Takio Yokoi
3
,
Yasushi Yatabe
3
,
Shigeo Nakamura
4
1愛知県がんセンター中央病院内視鏡部
2愛知県がんセンター中央病院血液細胞療法部
3愛知県がんセンター中央病院遺伝子病理診断部
4名古屋大学臨床検査部病理
キーワード:
十二指腸濾胞性リンパ腫
,
rituximab
Keyword:
十二指腸濾胞性リンパ腫
,
rituximab
pp.1081-1084
発行日 2008年6月25日
Published Date 2008/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101407
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はじめに
消化管原発の悪性リンパ腫の多くはMALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫やびまん性大細胞リンパ腫である1).一方,濾胞性リンパ腫の頻度はYoshinoら2)の報告では3.6%(8/222)と低く,他の報告1)でも同様であるが,部位別頻度をみると十二指腸あるいは小腸が多い2)3).十二指腸の濾胞性リンパ腫の内視鏡所見は特徴的で,多くは十二指腸乳頭周囲に白色顆粒が集簇あるいは散在する4).このような所見が注目されるようになり,上部消化管内視鏡検査で発見される症例が増加しているが,その多くは無症状で臨床病期がI期5)であり,積極的に放射線治療や化学療法,外科治療などを行うか,watchful waitとするか,いまだ統一された見解はない.本稿では,自施設での経験をもとに,現時点における消化管濾胞性リンパ腫,特に十二指腸濾胞性リンパ腫の取り扱いに関する筆者らの見解を述べる.
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