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今月の主題 深達度診断を迷わせる食道表在癌―その原因と画像の特徴
序説
深達度を迷わせる食道表在癌―その原因と画像の特徴
Introduction
幕内 博康
1
Hiroyasu Makuuchi
1
1東海大学医学部外科
キーワード:
食道表在癌
,
深達度診断
,
内視鏡
,
色素内視鏡
,
超音波内視鏡
Keyword:
食道表在癌
,
深達度診断
,
内視鏡
,
色素内視鏡
,
超音波内視鏡
pp.857-859
発行日 2004年5月25日
Published Date 2004/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100470
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食道癌は粘膜上皮の傍基底層付近に発生し,downward growth,upward growthまた,lateral invasionを起こし,粘膜上皮全層を置換するとともに粘膜固有層に釘脚を延ばす.癌はゆっくりと増殖し,粘膜筋板に達するとともにその上下に発達する脈管叢への浸襲が始まりまた,angiogenesisが始まって悪性度・増殖能が増すとともにリンパ節転移を有するものが出現する.粘膜固有層までの浸潤ではリンパ節転移を来すことはまずないと言ってよいが粘膜筋板に達すると約10%,粘膜下層表層に達すると約15%の症例にリンパ節転移を有するようになる.一方,腫瘍がさらに粘膜下層に深く浸潤すると急速にリンパ節転移率が上昇し,40~50%となる.このように大部分の食道癌の悪性度は深達度と密接な関係があるため深達度診断は治療方針決定の重要な鍵を握っていると言える.
食道癌の深達度診断にはX線造影検査,内視鏡,EUS(超音波内視鏡),CT,MRIなどが用いられている.表在癌の深達度診断には前三者が用いられ,CT・MRIは進行癌の深達度診断,特にT4診断に力を発揮する.
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