増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液生化学検査
血液ガス・電解質・微量金属
亜鉛
田部井 薫
1
1自治医科大学腎臓内科
pp.221-223
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909811
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検査の目的・意義
亜鉛は必須元素の代表であり,時に中毒や欠乏症がみられることもある.亜鉛は補酵素(metalloenzyme)として重要で,亜鉛が補酵素として作用する酵素の数は100以上といわれている.特に炭酸脱水素酵素,蛋白分解酵素,乳酸脱水素酵素などが有名である1).血清亜鉛濃度の測定は,欠乏状態と過剰状態の指標として用いられる.血清亜鉛濃度測定の対象となる疾患は,①味覚・臭覚低下,②腸性肢端皮膚炎(acrodermatitis enteropathica),③長期にわたる高カロリー輸液,④未熟児などであるが,慢性腎不全にて血液透析を行っている患者での測定意義は大きい.
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