カラーグラフ 感染症グローバリゼーション・11
最近増加している消化管条虫性疾患—(広節裂頭条虫,無鉤条虫,大複殖門条虫,瓜実条虫,有鉤条虫,有鉤嚢虫について)
西山 利正
1,2
,
竹内 寛
1,2
1奈良県立医科大学寄生虫学教室
2奈良県海外渡航者健康相談事務局
pp.363-369
発行日 1998年2月10日
Published Date 1998/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909245
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わが国で遭遇する消化管条虫としては,日本海裂頭条虫(Diphyllobothriitium nihonkaiense),広節裂頭条虫(Diphyllobotnrium latum),無鉤条虫(Taenia saginata),大複殖門条虫(Diplogonopor-us grandis),小形条虫(Hymenolepis nana),瓜実条虫(Dipylidium caninum),マンソン裂頭条虫(Spirometra erinacei),有鉤条虫(Taenia solium)などがあげられる.
そのなかでも特に,日本海裂頭条虫,広節裂頭条虫,大複殖門条虫などは,その第二中間宿主である魚類が最近の低温食品流通経路の発達により,新鮮な状態で輸送され,かつ低価格で一般市民が購入できるようになっている.よって,これらを家庭で日常的に食するようになってきた現在,それらの感染の増加の傾向がみられる.
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