今月の主題 内科臨床における“こころ”と“からだ”
診療の現場での心身医療
「悪い知らせを伝える」—癌告知/難病告知に際しての“こころ”の対話
小泉 俊三
1
1佐賀医科大学附属病院総合診療部
pp.2054-2055
発行日 2002年12月10日
Published Date 2002/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909176
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ポイント
医師としてのあなたへの信頼の源は,隠し立てがないことと最後まで逃げ出さないこと.したがって,「悪い知らせ」だけでなく,「常にあなたの味方です」というメッセージが同時に伝わっていることが信頼関係の条件である.「あのときは,癌という言葉を聞いたとたん,頭の中が真っ白になってその後の説明は憶えていません」という告白を患者や患者家族から聞くことがある.1回限りの「告知」で何もかも伝えようとすることは的外れ.患者が一度に飲み込める情報の量に配慮するとともに,聞くことに神経を集中して患者の意向を繰り返し確かめ,患者の知りたい程度に応じて,時間をかけて伝えてゆくプロセスが本当のbad news tellingである.
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