増刊号 内科医が使う薬の副作用・相互作用
解熱・鎮痛・向精神薬
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)(ルボックス,デプロメール,パキシル)
山田 朋樹
1
1横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター精神医療センター
pp.467-469
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909122
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1999年5月に選択的セロトニン再取り込み阻害薬(selective serotonin reuptake inhibitor:SSRI)がわが国に導入されてから,3年以上が経過した.今日,うつ病・うつ状態の生涯有病率は13.3〜17.1%1)と驚くべき高い数値が報告されている.一般的にうつ病は,早期発見・早期治療にてそのほとんどが寛解するといわれている.しかし,うつ病に罹患した患者が専門医を受診する割合はまだまだ低く,多くは身体症状を主訴として内科医を受診していると考えられる.SSRIは,うつ病治療の第一選択薬のなかに含まれており,従来の三環系抗うつ薬と比較し,臨床的には同等の効果を有しながら副作用が少なく安全に使用できる抗うつ薬として,すでに広く使用されている.またSSRIは,うつ病以外の広い適応をもち,パニック障害などさまざまな精神疾患に対し治療効果を上げている.このように,治療上の利点が多く使用されやすいSSRIではあるが全く副作用が存在しないわけではない.なかには生命に危険が及ぶものも含まれる.また相互作用に関しても注意すべき点があり,以下にこれらの点について簡単にまとめた.
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