column
日本最古の薬の記録は「因幡の白うさぎ」
津田 真智子
1
1東京海上メディカルサービス薬剤部
pp.123
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908977
- 有料閲覧
- 文献概要
日本で一番古い「薬」に関する記録は,『古事記』に記載されている「因幡の白うさぎ」とされています.
隠岐島に住んでいた白うさぎが,対岸の本土に渡るのに「どっちの仲間が多いか比べてみよう」と嘘をつき,ワニザメを並ばせてその背中を渡って行ったのですが,最後の最後で本当のことを口走ってしまい,最後のサメに皮をはがされ赤肌となってしまいました.そこへ,出雲の国から来た大勢の兄弟神(八十神)が通りかかり,泣いている白うさぎに「もとの体にもどりたいのなら,海水を浴びて風に当たり,高い山の頂上で寝ていれば良い」と教えました.その教えに従った白うさぎは,体が乾くにつれて前よりも痛みが増し,泣き苦しんでいました.そこへ兄神たちの荷物持ちをさせられて遅れてやって来た大国主命が「今すぐ河口に行って真水で体を洗い,河口に生えているガマノハナ(蒲黄)を取り敷き詰めて,その花粉の上を転げ回るが良い」と教えました.その通りにすると,傷は癒えて元通りのきれいな体になったというものです.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.