今月の主題 一般医も診なければならないB型・C型肝炎
B型肝炎とC型肝炎とではこれほど違う
HCVキャリアの自然経過
穂苅 厚史
1
,
戸田 剛太郎
1
1東京慈恵会医科大学消化器肝臓内科
pp.1645-1647
発行日 2002年10月10日
Published Date 2002/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908885
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ポイント
急性C型肝炎はA型,B型に比べ自覚症状が軽く,トランスアミナーゼの上昇も軽度.
HCV感染後の慢性化率は60〜80%ときわめて高い.
慢性C型肝炎では,黄疸を伴うような強い急性増悪は稀.
HCV感染では,成人での感染で高率にキャリア化する.
慢性C型肝炎の自然治癒例は非常に稀.
肝炎の線維化の進展速度は年率で約0.133.
肝炎の線維化の進展は,初感染時40歳以上,男性,アルコール飲用者において速い.
慢性C型肝炎患者の33%は20年以内に肝硬変に進展するが,31%は進展しない.
C型のASCにおいては,ほとんどの症例で門脈域を中心とする極軽度のリンパ球浸潤を認める慢性肝炎像を呈している.
生化学的著効例では,ウイルス学的著効例と同様に,肝細胞癌発生リスクが非投与例の1/5に低下している.
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