今求められる説明義務・7
意思決定の代行・遺族への説明
古川 俊治
1,2
1慶應義塾大学医学部外科
2TMI総合法律事務所
pp.1782-1785
発行日 2001年10月10日
Published Date 2001/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908348
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意思決定の代行
有効なインフォームド・コンセントに必要な患者の同意能力の前提として,①医師の説明の理解,②自己の病状の理解,③自己の価値観に基づく説明や現状の評価・検討と,下そうとする決定の意味の理解,④診療行為の実施・不実施についての自己の価値観に基づく理性的な決定,を相当程度になしうる能力が要求される1).患者が同意能力を欠く場合,意思決定の代行が問題となる.患者の同意能力の有無は,個別具体的に判断すべきである.個々人によって精神的能力は異なるし,疾患や診療行為の種類により必要な理解力・判断力は異なる.また,同一の個人であっても,その状態や周囲の状況によって同意能力は左右される.
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