カラーグラフ 消化管内視鏡検査—知っておきたい基礎知識・2
食道癌
河野 辰幸
1
,
竹下 公矢
2
1東京医科歯科大学第1外科
2東京医科歯科大学光学診断治療部
pp.342-346
発行日 2001年2月10日
Published Date 2001/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908019
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食道癌の内視鏡診断
食道癌では進行癌の診断と治療にもなお課題が残されているが,内視鏡診断上混乱を生ずるような問題は少なく,表在性病変の検査においてより注意が必要である.現在,食道では癌の浸潤が粘膜下層までにとどまるものを表在癌と定義し,粘膜筋板までの粘膜内にとどまるものを粘膜癌,粘膜下層まで浸潤したものを粘膜下層癌と呼び,粘膜癌で転移のないものを早期癌としている1).わが国では,食道表在癌が多数発見されるようになるとともに,根治的治療法としても手術,内視鏡治療,放射線化学療法などが選択肢となり,最適な治療法を選択できる精密で的確な診断が求められるようになっている.
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