“One More Step”
膵尾部描出法のコツ(Ⅴ)—縦断走査の臓器位置を知る
井出 満
1
1岸和田徳洲会病院腹部超音波室
pp.385
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907785
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前項では横断走査,左肋骨弓下縁斜走査にて膵尾部描出を説明しましたが,この項では縦断走査による膵尾部短軸像および周囲臓器との位置関係を知っていただきたいと思います.
前項で説明したように膵尾部が得られれば,そのまま縦断走査に切り替えると膵の短軸臓が得られることになります.図Dのごとく肥満型の人は脾臓と左腎の2点の間にあり,痩せ型の人は前方に胃を認め,その3点の間に位置することになります.このことを理解して描出を試みることが重要です.左腎描出から手順を進めましたが,慣れてくれば直接尾部を狙うことも可能になります(横断・縦断走査とも).このようにして実践にて膵尾部が出せるようになると膵尾部は決して腹側より遠い位置にないということが(特に肥満型の人)理解してもらえると思います(モニタ上).膵体部から尾部を覗き込もうとするとどうしてもモニタ上,深い位置にもってこなくてはならず,術者の勝手(?)な錯覚により深い位置にあるものと解釈されていた人も少なくなかろうと思います.相手(膵臓および周辺臓器)を理解することが描出の早道でもあります.
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