“One More Step”
膵尾部描出法のコツ(Ⅲ)—肥満体型の人の胃と膵臓の位置関係を知る
井出 満
1
1岸和田徳洲会病院腹部超音波室
pp.355
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907776
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前項にて体型により,諸臓器(肝・胃・膵)の形状,位置,走行が異なることを説明しましたが,この項では位置関係を理解していただき膵尾部描出の心得(?)を説明したいと思います.
痩せ型の人では従来から言われているように膵尾部の前方には胃が存在するが,肥満型の人の場合必ずしもそうではなく,前項で説明したように胃は腹部の前後に対し垂直(立った)に近い状態で位置しているため,膵尾部の前方には胃が存在しない場合や存存していても一部のことが多い(図B).ここで理解していただきたいことは,従来の肝臓をウィンドウとして利用する方法や胃の小彎側からの膵体部・尾部アプローチ法では,膵尾部がどうしても胃(ガスなど)が邪魔になって描出できないのは当然です.ここで肥満型の人の場合,超音波ビーム(探触子)の方向性として胃の大彎側より攻めると,胃は邪魔にならなくなり,当然視界が良好となります.
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