今月の主題 「考える」診断学—病歴と診察のEBM
考える診断学の実際
common symptoms and signs編
結節性紅斑
田中 勝
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
pp.1452-1454
発行日 2000年9月10日
Published Date 2000/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907611
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なぜ正しい診断が重要か?
結節性紅斑(erythema nodosum:EN)は単一の疾患ではなく,様々な病因に基づく重要な急性炎症性の皮膚症状(症候群)である.若い女性に好発し,通常は約6週間で自然軽快する.その病因によって経過は異なる.
その原因には,溶連菌感染アレルギー,薬疹,結核,サルコイドーシス,Behget病,潰瘍性大腸炎,Crohn病,悪性腫瘍(白血病,リンパ腫など),真菌感染,腸管感染症(Yersinia),Hansen病などがある.溶連菌感染アレルギーによるものが最も多く,それ以外によるものを症候性のENとして区別することもある.頻度は高くないが,重篤で致命的な疾患が隠れていることがあるため,正しい診断が不可欠である.
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